デフレとインフレについて ・・・ 初心者の経済学
私のことが嫌いでも、経済学の事は嫌いにならないでください!
(元AKB48メンバー前田敦子の名言に似せて 笑)
経済学となるとなじみが無く少々難しいですが、正しい貨幣観や経済学を知って、積極財政の政治家を選出し、国内の景気を良くすれば、あなたの給料が増え、退職金が増え、子供たちの給与が増え、孫たちの初任給が増え、老後の年金が増え、医療費が下がり、定期預金の利息が増えるのです。
そして地方交付金が昔のように増え、地方に住み着く人が増えて国内の過疎地が減ることなのです! まさに「経世済民」で日本を復活させることが出来るのです。
経済学を好きにならないでも構いませんから、ぜひ身近においてみてください。
YouTubeの動画を繰り返し見てみると、理解しやすいと思います。
日本で起きた激しいインフレをご存知でしょうか?
下のグラフをご覧ください。第二次世界大戦後、一時的に約500%(5倍)越えを記録しました。
日本が経験したことのない未曽有の大戦後では、需要に対して供給が追いつかずに高いインフレを起こしました。
戦後の闇市 Wikipediaより
物価が5倍も跳ね上がる大変な混乱状態でしたが、それでも「ハイパー・インフレーション」の定義13,000%(130倍)には遠く及びませんでした。
国債を発行して政府支出を増やしたら円がハイパーインフレになるぞ!、お金が紙屑になるぞ!と脅かす報道や評論家の説も多く見受けられますが、戦争のようなことが起きない限り、日本では平時ではそこまでインフレになる理由が見当たらないのです。惑わされないようにご注意ください。
このことについては後術するとして、そもそも戦後のインフレはどうして起きたのか見ていきましょう。
名古屋大空襲 Wikipediaより
- 爆撃で、多くのインフラや生産拠点を失った。
- 多くの働き手を失っていた。
- 人心も戦後の混乱期であった。
生産の拠点や交通・電力などのインフラが整わなかったため、需要に対する供給が追いつかなかったということなのです。
◎デフレやインフレは、需要と供給のバランスで決定される
需要 物やサービスの消費者
需要と供給のバランス
このバランスでインフレやデフレが決まる
供給 物やサービスの生産者
下の図は三橋貴明氏が作成した図です。
国債発行を増やし政府支出を増やし、公共工事やコロナ対策の一時金給付などで国内にお金を増やすと貨幣の価値が下がり紙幣が紙屑になり超インフレになる! と脅す人が相変わらずいます。 (私としては、国債をたくさん発行して早く健全なインフレにしていただきたいと思っているのですが・・・。)
彼らが脅すように、果たして単純に超インフレになるでしょうか? 三橋貴明氏が作成した上の図で、三橋氏の解説をご紹介いたします。
図左側の指標は、1980年代(世界から評価が高く、日本の黄金期と呼ばれた期間)のような日本経済が成長していた頃の需要と供給のバランスです。需要に対して供給が追いつかない状況になると物価が高くなっていきます。
現在と違って、1980年代の当時は給与が年々上がっていきました。個人に消費力があり、設備投資をする企業も多くあるために好循環を起こし、世界でも奇跡的な経済成長が起きていました。
前回の信用創造のご説明の通りで、政府が刺激する積極財政によって国内の景気が好循環を起こし、お金そのものが増えていく状況が起きていたのです。
定期預金も物価上昇率を加味した高い利息がつき、利息を楽しみにしていた家庭がたくさんありました。現在からは想像も出来ませんね。
右側の指標は、消費税が3%から5%に増税した1997年以降から続く低迷するデフレの日本経済の需要と供給のバランスです。緊縮財政が続いて景気が悪くなり、結果国内のお金の総量が減りました。
経済成長が止まったばかりではなく、一世帯当たりの収入が減り、貯蓄ゼロ所帯が増えたのです。もはや先進国ではありません。下のみっつの図をご覧ください
ここで平均年収の話をします。
日本の経済成長と、平均年収の推移
下の数種類のグラフをよくご覧ください。給与は横ばいになり、実質賃金は下がり(社会保険料の値上げと消費増税の影響で)続けました。日本はもはや先進国の平均給与とは呼べない状況です。
1997年あたりから経済成長が止まり給与が停滞し始めました。
よその国は経済成長し、給与も高くなっているのです。
政府の経済・財政政策が、明らかに間違っているとしか言ようがありません。
日本の平均年収は下がり続けるのみ!?
ショックな図ばかりですよね? これらは客観的事実です。
このような不都合な真実は、どのメディアも報道しないためご存じないでしょう。この状況を放置すれば、国民の生活はさらに悪化するばかりです。
では、インフレギャップ・デフレギャップの図をもういちど見ていきましょう。
「本来の供給能力(潜在GDP)」とは、企業側の生産能力(サービスを含む)の上限。上限を超え始めるとインフレ方向に向かいます。世界の多くの国では、インフレ率目標を2%にしています。
「名目GDP」とは、物価上昇率を加味しないGDPで、物価の上昇率を加味し修正したものを「実質GDP」と言います。
中央の「名目GDP(支出面)」は、需要の中身です。
右側のデフレギャップについて、需要が低い場合需要と供給との差額をデフレギャップと呼びます。2020年のコロナ不況下にあるデフレギャップを財務省は50兆円と少なく見積もっていますが、実際には70兆円と推定されています。つまり、デフレギャップの50兆円から70兆円の需要が増えれば、需要と供給のバランスが取れてデフレが止まると言う意味です。
竹中平蔵氏はここへきて、コロナ対策(2020年)で政府支出を増やした海外でインフレを起こしていない状況を察知し、おおよそ次のような発言をしました。
”今までの財政均衡の考えは間違っていた。70兆円規模または100兆円規模の政府支出をしても大丈夫”と、朝まで生テレビという番組で軌道修正した発言をして世間を驚かせました。氏は紛れもなく緊縮財政派を代表する人物で、国際金融資本家の代理人または工作員と噂されている人物です。
正しい発言だと思われますが、彼の場合いったい何を企んでいるのかはわかりません。
正しいデフレ対策を行っても、20年以上続いたデフレ経済はそう簡単には上向かないでしょう。一時金が増えたとしても全額消費に向くことは無く、将来への不安から貯蓄に回わす所帯もたくさん出てくると考えられます。デフレギャップ以上の財政出動が必要になると予想され、くだんの竹中平蔵氏が100兆円の数字を出したのもそのためだと思われます。
したがって、経済を立て直すためには70兆円から100兆円規模の財政出動が必要と言うことになります。
下の図から、2020年の政府支出の額と長期金利やインフレ状況を確認してみて下さい。
御用学者達が言ったように「長期金利」の上昇や「インフレ」は少しも起きていませんね。「国債を多く発行したら円の価値が下がり金利が上昇する!」 「お金が出回ったらインフレになる!」 ってどなたかが言ってましたよね!
「インフレギャップ」は、その「デフレギャップ」の反対です。
以上見てきたようにデフレギャップを理解すれば、政府の支出目標が想定できます。20年間続くデフレは政府支出が足りなかったからという見立ても出てきます。
ここで緊縮派が言う「借金」問題がネックになって来るわけです。政府支出の積極財政出動を「国の借金」と捉えていると、今良くても将来につけを回すことになって大変なことになってしまいます。
例の「国の借金1200兆円。国民一人当たり800万円の借金。」です。
このフレーズは、経済の専門紙と思われている日経新聞をはじめほとんどすべての新聞報道で使用されています。当然、テレビなどの媒体も同じで、ニュースのほかバラエティー番組で池上彰氏などがこのフレーズを多用し視聴者に緊縮財政を刷り込んでいます。
果たしてこのフレーズは正しいのでしょうか?
家計の感覚を持ち出して、「国の財政」を理解出来るでしょうか?
この事についてはもう少し先で記述いたします。もうしばらくお待ちください。
ここで保守層に気に入られた外国人のデービット・アトキンソン氏(国際金融資本家の代理人または工作員と噂されている人物です)の、菅政権内に送り込まれる前からの主張を見て行きましょう。
彼は、日本の生産性が低いのは供給側が多いからだとし、合併や吸収で減らすことを主張し、菅総理も彼の言葉をそのまま発信しています。
図の本来の供給能力(潜在GDP)の方を下げろと言っているのです。
これは異常な考え方で、日本の生産性が低いのはデフレによる需要の低迷によるものです。設備投資して生産性を上げることが出来ないし、製品やサービスの価格が下がっているからです。
アトキンソン氏の上記発言の真意は、安く買いたたきたいハゲタカファンドに国内企業を奪わせることだと、三橋氏は警鐘を鳴らしています。
三橋氏は、政府支出を増やして積極財政で需要を増やすことが必要だと説いています。
私もそれがまっとうなやり方だと思います。供給側も国民であり同時に消費する需要側なのですから。
◎デフレから抜け出す方法はあるのか?
さて、インフレが激しくならないように抑制するための方法をインフレ対策、逆にデフレから抜け出す方法をデフレ対策と呼びます。それぞれ真逆な手段を取ります。以下の図を見つけましたのでご紹介します。
現役経済産業省官僚、中野剛志氏の著書から作成されたと思われる上の図から方法が見えてきます。
インフレが加速し過ぎると経済に悪影響が出ます。
インフレを抑制する方法は大きく3種類あることが分かります。
ひとつめは、規制緩和(小さな政府)をして参入業者を増やすことで供給能力を高め、需要に追いつかせます。
ふたつめは、個人消費(需要)を抑える為に所得税や消費税を増税します。
みっつめは、緊縮財政で政府支出(公共工事など)を減らすことで法人や個人の収入を押さえます。
これらを同時に行います。他の方法も図は示しています。
逆にデフレから抜け出す方法のひとつ目は、規制を増やして(大きな政府)新規参入業者を止めるなど供給を抑えます。世界的な行動はグローバルから保護主義に転じます。
ふたつ目は減税で、所得税や消費税を下げて個人消費(需要)を増しやすい環境にします。
国内GDPにおける個人消費率は56%を占めます。
個人消費が呼び覚まされたら、企業は設備投資し、信用創造を呼び起こします。
個人消費を増やすことが、GDP全体を押し上げる方法になるのです。
みっつ目は積極財政で政府支出(公共工事など)で法人や個人の収入を増やします。これらを複合的に行います。
大きな政府とは、政府が人員を増やして増えた規制を管理することで、同時に雇用も増やします。失業対策にもなります。
小さな政府とは、政府の人員を減らして規制の数を減らします。働き手不足の企業側に人手を向かわせます。
〇下の図から政府支出を増やすと民間の収入が増えます。順調にいけば当然信用創造でお金が増え、好景気を推進するようになります。
誰かの支出は誰かの資産。
政府の赤字は、国民の黒字。
政府の収支+国民の収支+対外収支=0
三部門の会計等式
〇果たしてこの20年間、日本政府はデフレ対策を行ってきたでしょうか?
いいえ、政府は正反対のインフレ対策をずっと行ってきたのです。緊縮財政で公共工事などを減らし、規制緩和を繰り返し参入業者を増やし、海外とのグローバル化を加速化し、消費増税を繰り返してきたのです。
例えて言うなら、栄養失調の患者に、「食べ過ぎると肥満になるから食事は半分にしなさい」と指示している藪医者と同じなのです。体調はますます悪くなるばかりでしょう?
早く良い医者に替えてください!
消費増税による弊害はその都度、自殺者の増加や、大震災やリーマンショックに等しいほどの打撃を受けて来たのです。
その結果世界的に見て日本のGDPの成長率は低迷し、発展を休止した状態になって一国だけ置いてきぼりになっているのです。
しかし、消費税の増税分のほとんどが、法人税の減税分に充てられているのでした。政府は国民にそのような説明を一度でもしたことはありましたか? 下の図をご覧ください。
わが日本政府は口先だけはデフレ脱却を目指すと公言していますが、わざとデフレ経済を悪化させ、ごまかしの消費増税で国民を貧困化させているのです。
間違いありません!
<重要ポイント>
デフレ対策として数々の手段を上げてきました。
政府支出である公共工事や給付等の支出規模は、デフレギャップの規模分が目安になるでしょう。一時的な支出では経済の回復は難しく、長期的な政府支出(積極財政)の方針が打ち出されることが重要になります。そこで初めて生産性を上げるための設備投資が活発に行われ、市中銀行からの貸し出しが増え、信用創造され、世の中に出回るお金が増えていくのです。
信用創造でお金が増えていく事は、国会答弁において日銀担当者も認識している周知の事実です。
しかし一番重要なことがあります。デフレから脱出できるかどうかは、政治家の意志ひとつであるということです。