ガソリン価格差の解消がすすむ
2017.11.18
スタンド ガソリンなどの価格
12月”満載”に「ガソリン価格差の解消について」を書きました。何度も推敲し、怒りの語気をほぼ抜いて印刷することが出来ました。
怒りの対象は・・・、言っても仕方が無いからあえて言わないことに。文面からはつかめる筈。
石油関係の、我々の側に立った業界新聞の記事を紹介しましょう。(ぜんせきwebより)
- 石油業界に変革の波が押し寄せている。変革とは系列仕切りと業転格差の構造変化だ。仕切りの「建値」という調整含みの制度が、ある種の規律に基づく状況にまで変化してきた。業転はさらに劇的で、系列仕切りとの格差は3円を下回り、実態として1円から2円の間で推移しているとみられる。系列仕切りとPBの仕入れは、かつてと比べ圧倒的に縮小し「ブランド料」という言葉さえ薄らいできた。
結果として元売子会社SSが仕切りに沿った価格で販売する傾向が顕著となり、PBSSも上昇する業転価格に併せ変えるようになった。元売再編が本格化したことで、需給均衡が容易に進む環境が整いつつあることが背景として挙げられている。
だが、この状況の成果は元売だけのものではないことをあえて指摘したい。2010年12月、全石連経営部会(当時・中村彰一郎部会長)は元売各社に対し、「系列と業転の格差を縮小すべき」「ブランド料相当額は1円が限界」と言及した。「元売卸価格フォーミュラについての意見」と題した報告書をまとめ、元売各社を歴訪し、中小企業の視点から3つの提言で市場公平性の実行を迫った。
この提言は①系列玉と業転玉はどちらも品質に差がないので、精製・販売・コストは公平に負担するもので、同価格であるべき②元売ブランド維持コスト等(業転格差)のうち、市場競争の中で系列SSが負担できるのは1円が限界③これにより、系列玉と業転玉の価格差を縮め、精販一体となってフェアな競争環境を実現する–という極めて簡潔でわかりやすいものだった。当時は系列仕切りと業転価格の格差は最大で㍑10円にも達し、日常的に5円以上の格差がつくことが当たり前であった。そうした状況をあきらめず、正すべきものを質した結果が今日につながっている。
いま、ようやく3つの提言が現実になりつつある。系列仕切りと業転価格の格差は、一時的には縮小した時期もあったが、半年以上にわたり格差が3円以内に収まり、さらに縮小する傾向がうかがえるということは経験がない。系列中小企業にとって経営環境は好転しているのは確かだ。「10円格差が2円未満に縮小」という現実は、これからの石油業界を大きく変えることは間違いない。
それを7年前、提言し追求した経営部会の功績を改めて胸に刻みたい。