【MMT】ステファニー・ケルトン教授のシンポジウムに行ってきました
7月16日(火)、ステファニー・ケルトン教授のシンポジウムに応募し参加してきました。
ステファニー・ケルトン教授は、MMT(現代貨幣理論)提唱グループの第一人者です。
私は、1997年から始まったデフレ・貧困化の20年を克服する為の有力な貨幣理論に期待を抱いています。
実際お金がどうやって生まれているのか、そのお金がどうやって行き渡り税収となって経済を構成しているのか。
お金とはそもそも何か?から根本的に規定しなおして、初めて見えてくる経済学なのです。
世界的に「お金」の概念は、真実ではないようです。(だから経済にゆがみが出てくるのではないでしょうか。)
現実のお金は、まったく違った「発生」の仕方をしています。
物々交換から派生したものが「お金」と定義したのが古代ギリシャのアリストテレス。しかし物々交換がお金になったと証明する記録はどこにも残っていません。(→金本位制)
歴史的に残された唯一の貨幣定義は、メソポタミア文明の初期の主役シュメール人が記録した粘土板に残っています。借用書です。
債権と債務を記録した粘土板。これをもとに物が貸し出され、利子を付けて期日までに返却されます。
そして、貸した人がこの借用書を他人に売り買いで移動させた時、貨幣と同じ働きをして来ます。
貨幣は、日銀が発行した借用書と言えるのです。
写真はイメージです
お金とは「債権」と「債務」の記録
というのが正しいそうです。江戸時代のような「金本位制」は現代のお金の定義にはならないのです。つまり世界中のほとんどの人が古いままの認識で、「現代の貨幣」について間違った定義をしているということのようです。そういう意味で「現代貨幣理論」なのです。「貨幣への信用」は、納税の貨幣という国の規定により生まれるのです。
自国通貨建ての国債が「借金」にならない理由。
【ポイント ①】
自国通貨建ての国債は「借金」にならない。なぜか。
期限が来たら、仮に政府が自国の中央銀行に借金を返す事にします。
中央銀行に溜まったお金は、必要経費を引いて政府に返されます。
・・・最終的に、いったいどこの誰が誰に借りて、どこの誰に返すのでしょうか?
そもそも政府の子会社である中央銀行への借金は、連結決算で「相殺」されます。
右手が左手に持っているおにぎりを借りて食べました。
誰が食べたのでしょう。そして誰に返すのでしょう?
家庭ではこうはいきません。必ず借りた人に返さなければなりませんよ。
「貨幣発行権」のある国のお金の発生の仕組みが、ここにあります。
例えば、あり得ない話ですが中国に借りたら、必死に返さなければなりませんね(笑)
忘れてはいけない大事なことがあります。
政府が借金して作ったお金(赤字)は、国内で使われ、国民の預金(黒字)になります。
財政破綻論者が、このままなら破綻するぞ! 国民一人当たり借金が871万円をどうする? と聞かれたら。
【ポイント ②】
最終的に誰に返せばよいのですかと聞けばよい。
そして、財務省のHPに破綻しないと書いてありますよと言ってください。
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
そんなことしたらハイパー・インフレになるぞ!
【ポイント ③】
20年間デフレが続いていて、よくインフレの心配が出来るものですね。(笑)
「税金」は本来予算組とは関係ありません。関係があるとするから、どこの国も緊縮財政になってしまうのです。
国家の予算組は、国債発行だけで賄え、税金は無くても良いのです。
①「税金」の役割は、インフレ(や環境汚染やタバコによる健康被害)を抑制するブレーキの効果があります。(金利の上昇も効果があります) 健全な成長は2%~4%のインフレ率が望ましいと考えられており、ハイパーインフレにならないようにする為には、消費税の増税や、法人税・所得税の累進性を強化するなどで対処します。
②「税金」は、所得税の累進課税によって、国民の収入格差を和らげる効果があります。(ほかにもあります)
デフレ時に「増税」する事は、デフレが助長されるに決まっています。政府が今やらなければならないのは、「減税」なのです。
黒田日銀総裁が行っている異次元の金融政策で、金利は上がりましたか? ほとんどゼロ金利です。ハイパー・インフレどころの話ではありませんね。下の図は、借りる人がいないから金利が下がっている事を説明しているのです。
<MMTについてNHKのニュースで紹介>
<自民党議員で税理士の安藤裕氏>
テレビのコメンテーターは、財務省の御用学者が多いのでMTTをトンデモナイと馬鹿にし否定します。
昔いましたよね! 「原発は安全だ」という経済産業省の御用学者達。例えば東大の赤眼鏡。それと同じですから、先入観を持たずに耳を傾けていただきたい。
<ステファニー・ケルトン教授 来日時の記者会見の様子>