“満 載” 2月号 最高金賞受賞した生チョコレートプレゼント 大容量8k乾太くん新登場 “ロニアの谷”
中世スウェーデンに残る民話、ロニアの谷
スウェーデンにはロニアという名の少女にまつわる中世民話がある。
ロニアには恋人がいるが、二人の家は以前から敵同士だった。ロニアと恋人の家の間には、狭いが深い谷がある。飛び越え損ねたら死をまぬかれない。
恋人はロニアに会いに、彼女の家にやってくる。ロニアの父親は、娘の恋人を見つけると、憎らしい隣家を屈服させるための人質にしてしまう。
ロニアは、深い谷の縁にたって、飛び越す決心をする。もしうまく向こう側に渡れば、恋人の家の人質としてとらえられる。そうすれば二人の家はまた互角になる、とロニアは考えたのだ。だが、飛び損ねたら、万事休すだ。ロニアは転落して死に、恋人は父親に命を奪われてしまう。
谷間を飛び越すには勇気がいる。失敗すれば、悲惨な結果が待っている。しかし、道は一つだ。
ロニアは飛ぶ。
人には飛ばなければならないときがあることを、ロニアは知っていた。最も安全な道しか選ばない人は、けっして谷の向こう側に渡れない。いつまでも好ましくない状態にとどまることになる。
(『真実の瞬間』p105~p106)
参考:『マネジメント』p146「間違いや失敗をしない者を信用してはならない・・・無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。・・・人は優れているほど多くの間違いをおかす。優れているほど新しいことを試みる。」
「失策も許されるという前提がなければならない。そこではじめて従業員は、機構改革によって与えられた新しい権限を十分に行使することになる。」(p117)